校内研究の概要

 

平成25年度 校内研究


1 研究主題

  自分の考えをもち,分かりやすく伝え合う児童の育成
  ~算数科における,言語活動を取り入れた指導の工夫を通して~

2 主題設定の理由

昨年度まで4年間,国語科において,「自分の思いや考えを伝え合い,学びを深める児童の育成の研究主題のもと,「話合い活動における工夫」について研究を行ってきた。その結果,児童は国語科の話合い活動に進んで取り組むようになり,話合いの仕方も身に付いてきている。しかし,算数科においては,問題について立式して解を求めることはできても,その思考過程を言葉で表現したり,図や絵などを使って説明したりする力が不足している傾向が見られる。また,教師自身の算数科における言語活動についてのとらえ方が不明瞭で,指導過程の中であまり積極的に取り入れてこなかったという課題があった。昨年度の市学力調査の結果を見ても,基礎的な問題に比べ,活用的な問題について苦手とする傾向が顕著であり,何らかの対策が不可欠である。

そこで,算数科においては,基礎・基本の定着をしっかり図るとともに,昨年度までの国語科における話合いの能力をベースにしながら言語活動を効果的に取り入れ,日々の授業展開の工夫を図ることで目指す児童像に迫ることができるのではないかと考え,本主題を設定した。

3 研究目標

自分の考えをもち,分かりやすく伝える児童の育成を図るために,算数科において言語活動を効果的に取り入れた指導はどうあればよいのかを明らかにする。

4 研究の視点

(1)視点1:考えをもたせ,まとめさせるための工夫

① 見通しをもたせるための課題提示の方法

・ 教具の工夫やICTの活用

・ 既習事項を確認させる場の設定

  ② 考えを深めさせるための算数的活動の設定

   ・ 具体物,半具体物を用いた操作活動

   ・ 作図をしたり面積を実測したりする活動

・ 目的に応じて表やグラフを選び活用する活動

  ③ 個々の考えをまとめさせるためのかく活動の設定

   ・ 算数用語を用いた,言葉によるまとめ

   ・ 図や式を活用したまとめ

(2)視点2:考えを分かりやすく伝え合わせるための工夫

① 分かりやすく伝えさせるための指導の手立て

・ ぺア学習による考えの確認

・ 実物投影機や発表ボードの活用

 ・ 机間指導を活用した,意図的指名による発表

 ・ 考えを比較するための構造的な板書

  ② 伝える力を高めさせるための場の設定と指導の工夫

・ 授業のシステム化(「つかむ」「試みる」「深める」「いかす・まとめる」)を図る。

・ 具体物や半具体物を操作しながら自分の考えを説明する活動の設定

・ 図や式を結び付けて自分の考えを説明する活動の設定

・ 友達のかいた図や式から考えを読み取り,説明する活動の設定

   ・ グループ編制の工夫

(3)学びを支える日常活動

○ 個に応じた指導の充実

・ みやぎ単元ライブラリーの問題等を活用したはげみあい学習の充実

・ レディネステストを活用した,確実な実態把握

・ 少人数指導担当等と連携した,習熟度別の学習指導

○ 基本的な学習習慣の形成と環境構成

・ 学習ルールの徹底とノートの使い方の統一

・ 既習事項を振り返るための,算数コーナーの設置

○ 家庭との連携 

・ 家庭学習の手引きの作成と活用

5 研究の内容と検証の方法

(1) 文献研究,先進校における取り組みの分析研究,公開研究会などへの参加を通して,算数科における指導法や言語活動に関する研究を行い,指導理論の構築を図る。

(2) 授業実践にあたっては,ワークショップ形式の事前,事後検討会を行い,手立ての有効性について検証する。

(3) 算数科の学習に関する意識調査,分析を行い,児童の実態と変容を把握する。(5月,12月に実施)

(4) 評価テストや意識調査,行動観察等,児童の変容について,多様な面から評価を行う。

(5) 学習環境を整備し,より指導の効果を高めていく。

6 研究の計画

月 

主    な    内    容

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

 

 

・研究全体会(平成25年度の共同研究の具体構想提案についての検討)

・児童の実態調査・実態調査結果の分析

・実践授業Ⅰ 5年(事前検討会・事後検討会)

・実践授業Ⅱ 4年(事前検討会・事後検討会)

・授業実践Ⅲ 1年(事前検討会・事後検討会)

・カリキュラムの点検,中間評価

・実践授業Ⅳ 3年(事前検討会・事後検討会)

・実践授業Ⅴ 2年(事前検討会・事後検討会)

・実践授業Ⅵ 6年(事前検討会・事後検討会),

・指導主事訪問の準備,指導主事訪問

・研究全体会(実践の分析),児童の実態調査実施(変容),職員の意識調査・研究評価

・授業実践の考察取りまとめ,研究の成果と課題の分析

・児童の変容分析,研究の全体総括,次年度への取組について検討

・研究のまとめの印刷・発行

7 本年度研究を進めるにあたっての課題等

○ 学習指導要領に示されている算数的活動には様々な活動が含まれているが,昨年度までの国語科の話合い活動の成果を算数科においても活かすという意味で,その中でも言語を介した活動に焦点をしぼって実践していく。児童の実態を的確に把握した上で,どの場面で,どの言語活動を取り入れれば児童の力が高まるかをしっかりと判断し,実践していく必要がある。

 ○ 1単位時間の中で,言語活動を行う際には時間配分が課題になると思われる。児童一人ひとりの力を伸ばすためには,伝え合って理解を深めたことを,自分の力で活用し,学習したことをまとめる時間を確保することが重要である。指導過程の中で,内容的にも,時間的にも効果的に言語活動を取り入れていく必要がある。

 ○ 算数科において,自分の考えを説明したり,表現したりする力に関して,児童の力が伸びたかどうかについては,数値化して評価することが難しい。児童の自己評価や教師の見取りだけではなく,より正確,客観的な評価方法について検討していく必要がある。