平成24年度 米山東小学校 校内研究の概要
1 研究主題
自分の思いや考えを伝え合い,学びを深める児童の育成
~国語科における話合い活動を効果的に取り入れた学習指導の工夫を通して~
2 主題設定の理由
(1)学校教育目標から
本校では,学校教育目標を『夢と希望に満ち,自ら学び心豊かでたくましい児童の育成』と掲げ,「進んで学ぶ子」「思いやりのある子」「元気な子」の3つの児童像を目指すことによって,その具現化に努めている。
すべての教科の基礎・基本となる国語科において,話合い活動を効果的に取り入れた学習指導の方法を工夫し,「自分の思いや考えを伝え合い,学びを深める児童」の育成に努めることは,本校の教育目標の具現化につながるものである。
(2)児童の実態から
本校の児童は,明るく素直で,目標に向かって一生懸命に取り組む姿が見られる。音読発表会や読書タイム(業前活動),家庭学習における音読・漢字練習等にこつこつと取り組み,着実に音読や言語事項の力を付けてきている。この3年間の研究実践を通し,市学力調査の国語科に於いて4~6年生で市平均正答率を上回るなど,読解力や言語事項に関する力が確実に向上していることが感じられる。しかし,業者の評価テストに於いては「話すこと・聞くこと」に関して,他の領域に比べ,やや平均点が低くなる結果が出た。また,児童への意識調査から,「自分の考えをまとめて話すこと」「友達に質問すること」に関して苦手意識をもっている児童が多いことが明らかになっている。自分の思いや考えをしっかりと伝えることができるコミュニケーション能力は,望ましい人間関係を築く上で必要不可欠である。そこで,話合い活動を効果的に取り入れ,日々の国語科における授業展開の工夫を図ることで主題に迫ることができるのではないかと考えた。
(3)昨年度までの研究の経緯から
昨年度まで3年間,同一主題で,「話合い活動における工夫」や「日常活動における工夫」について研究を行ってきた。その結果,「進んで話し合えるようになった」「自分の考えをもって話し合えるようになった」という児童の変容が見られた。しかし一方,課題として,「書いたものを発表することには自信があるが,原稿がないところで自分の考えを伝える面ではまだ不十分である」ことが挙げられた。そこで,今年度も国語科での研究を継続し,自分の考えをまとめることや話し合うことに関して,児童のスキルを磨いていくことが望ましいのではないかと考えた。
以上のことから,学びの下支えとして日常活動における指導を充実させつつ,国語科における話合い活動を効果的に取り入れた学習指導の工夫を通して「自分の思いや考えを伝え合い,学びを深める児童の育成」を図っていきたいと考え,本主題を設定した。
3 研究主題のとらえ方
(1)「自分の思いや考え」とは・・・
様々な課題に対して,既習の知識や技能,考え方などを基に導き出された,自分なりの考えや疑問,新しい考えのこと。
(2)「伝え合う」とは・・・
他者とのかかわりの中で,互いに立場や考えを尊重しながら,言葉を通して自分の考えを適切に表現したり,相手の考えを聞いて正確に理解したりすること。
(3)「学びを深める」とは・・・
伝え合う活動を通して,新しい考えや思いが生み出され,以前の自分の考えがより深まること。その結果,互いのよさや話し合う楽しさを感じるとともに,思考力や表現力が高まること。
(4)「話合い活動」とは・・・
「グループで話し合って考えを一つにまとめたりすること」「学級全体で話し合って考えをまとめたり,意見を述べ合ったりすること」「説明や報告をしたり,それらを聞いて意見や感想を述べたりすること」など,話す力・聞く力を育てるための言語活動。
4 研究目標
自分の思いや考えを伝え合い,学びを深める児童の育成を図るために,国語科において話合い活動を効果的に取り入れた学習指導はどうあればよいのかを明らかにする。
5 研究の視点
(1)視点1:思いや考えをもたせ,まとめさせるための工夫
○ 自分の考えをもたせるための手立て
・ 一人一人が自分の考えをもてる課題の設定
・ 課題についての興味・関心を高め,イメージを膨らませる挿絵や資料の提示
・ 一人一人に思考させ,自分の考えをもたせるための発問の吟味
○ 考えをまとめさせるための手立て
・ 短文や箇条書きでまとめさせる活動
・ 理由や根拠を明らかにしたり,大事なことをおさえて書く活動
・ 考えを整理させるための,ワークシートやカードによる支援
(2)視点2:思いや考えを引き出し,関わらせるための工夫
○ 段階を踏んだ話合い活動の設定と,思いを関わらせる手立て
・ 個人ごとに考えのまとめ→ペア・グループ→全体
・ ハンドサインの活用(主に低学年)
・ 付箋の活用と,意見交流の場の設定(主に中・高学年)
○ 多様な考えを引き出すための手立て
・ 児童相互の考えを関わらせるような発問と,補助発問の吟味
(3)学びを支える日常活動
○ 言語環境の整備・推進
・ 話型や聞く時の約束,声のダイヤル等の掲示・活用
・ 国語環境,言語環境のあふれる校内掲示の継続
○ 語いを増やすための指導の工夫
・ 読書の推進
・ 辞書の積極的活用
○ 表現の場と自分の考えをもつための場の設定
・ 各学年1回の,音読発表会
・ 学年部での,音読発表を聞き合う場の設定
・ 朝の会・帰りの会でのスピーチの継続
○ 話す力・聞く力を高めるための指導の工夫
・ 話し手の意図をとらえながら聞き,自分の意見と比較して考えをまとめる活動
・ メモを取りながら聞く活動とメモの取り方の指導
6 研究の内容と方法
(1)研究主題,目標,研究の視点をもとに研究推進の計画を立て,授業実践を行い,理論の検証をする。必要に応じて修正を図っていくものとする。授業実践にあたっては,事前,事後検討会を行い,検証を行う。その際,ワークショップ形式の少人数による話合い活動を取り入れ,議論の活性化を図る。また,「全員で授業を作る」という共通理解のもと進める。授業実践で得られた結果(記録,調査等)から児童の変容を把握し,手立ての有効性について検討し,日々指導の改善を図っていく。
(2)児童の実態を把握するため,国語科の学習に関する意識調査を行い,結果を分析する。(5月と12月に実施)また,市の学力検査・単元別評価テストについても分析を行う。
(3)文献研究,先進校における取り組みの分析研究,公開研究会などへの参加と伝講会の開催などにより,国語科における指導法に関する研究を行い,理解と理論を深める。
(4)評価テストや意識調査,行動観察等,児童の変容について,多様な面から評価を行う。また,研究の計画・運営や具体的方法についても,評価表による評価を行う。
(5)学習環境を整備し,より指導の効果を高めていく。